カフェイン中毒の恐ろしさ

2012年10月に、アメリカのメリーランド州で
栄養ドリンク「モンスターエナジー」に含まれる
多量のカフェインが原因で14歳の少女が死亡したとして、
遺族らが製造会社を相手に訴えを起こしました。

原告の代理人によると、2011年12月に死亡した少女は、
死亡する24時間に700ml入りのモンスターエナジーを2本摂取していて、
これに含まれるカフェイン量は480mgだったそうです。

このカフェイン量は、350mlのコカコーラの14本分に相当するもので、
検死結果でも死亡原因は「カフェインの毒性による心臓の不整脈」とされています。

また、このケース以外にも、エナジードリンクと呼ばれるカフェインが
含まれる栄養ドリンクを飲んだ後に死亡した人が、過去3年間で5人いると
アメリカ食品医薬品局に報告されています。

ただ、このドリンクと死亡の因果関係は不明としています。

カフェイン

カフェイン入りの栄養ドリンクを日常的に飲む人は少なくても
コーヒーや緑茶、紅茶などカフェインが含まれている飲み物を
毎日飲んでいる人は、とても多いと思います。

カフェインは神経毒性がありますので、一定量を超えて摂取すると、
中毒症状を引き起こすのです。

カフェイン中毒には、一度に多量に摂取した場合の急性中毒と
長期間にわたって摂取し続けた場合の慢性中毒に分かれます。

急性中毒は、1時間以内に6.5mg/kg以上のカフェインを摂取すると、
50%の人が急性中毒の症状を起こします。

体重が60kgの人の場合、カフェイン量は390mgになります。

急性中毒は、身体症状として心拍数の増加や不整脈、
動悸、血流増大、胸痛、胃痛、嘔吐、歩行困難、
瞳孔拡大などが現われ、精神症状として焦燥感、
不安、気分の高揚、感覚過敏、精神錯乱、
幻覚、幻聴、自殺行為などがあります。

慢性中毒は、長期間にわたり1日250mg以上摂取した場合に起こるもので
神経過敏や睡眠障害、興奮、頻尿、頻脈などの症状が現れます。

上記のアメリカの少女の死亡例は、急性中毒による不整脈が原因と考えられます。

カフェイン中毒は、カフェインが分解・解毒され、
体外へ排泄されれば、その症状は改善しますが、子供の場合は肝臓の
機能が未発達ですので、カフェイン中毒になりやすく、
大人よりも注意が必要です。

カフェインには、脂肪燃焼効果や覚醒作用、
消化促進作用など健康に良い面もあるのですが、
やはり重要なのはその摂取量です。

カフェインの慢性中毒は1日250mg以上の摂取が目安ですので、
 各飲み物のカフェイン含有量を知っておきましょう。

100ml中に含まれるカフェイン量は、
ドリップコーヒーで60~70mg、紅茶が20mg、
緑茶が20mg、玉露は120mg、ウーロン茶は20mg、コーラが10mgです。

もし、水代わりにコーヒーやお茶を飲んでいる人は
要注意です。

特に、コーヒーはカフェイン含有量が多いですので、
1日2~3杯までにしておくほうが良いでしょう。

また、カフェインを取り過ぎたと思ったら、
翌日はカフェインを取らないようにするなど、
カフェイン中毒にならないよう気をつけましょう。

カフェインの取りすぎは自律神経の乱れにも関係し、女性の場合更年期障害の原因にもなる可能性があるので注意したいところです。

 

 

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