妊娠中の喫煙は赤ちゃんへ様々なリスクを及ぼします。

 

妊婦の喫煙

妊娠中の喫煙は、赤ちゃんに良くないため、
すぐに禁煙すべきということは、皆さんご存知だと思います。

アメリカのニューヨーク大学医学部のウェイズマン氏らが
アメリカの医学誌に発表した調査によると、妊娠中に母親が喫煙
していた人は、赤ちゃんが感音性難聴のリスクが高まることがわかりました。

感音性難聴とは、聴覚を司る内耳や聴神経に
異常があることが原因の難聴です。

ウェイズマン氏らは、2005年~2006年登録のアメリカ保健栄養調査に
参加した12~15歳の男女964人のデータを調べた結果、

全体の16.2%が妊娠中に母親が喫煙していて、妊娠中に母親が喫煙
していなかったグループと比べると、片側の低音障害型の感音性難聴を
抱えている割合は2.6倍だったことがわかりました。

☆妊婦の喫煙は何がダメ?☆

上記の調査で、妊娠中の喫煙は、子供に感音性難聴のリスクを与える
ことがわかりましたが、それ以外に赤ちゃんにどんな影響を与えるのでしょう?

1つ目は、赤ちゃんの成長が遅くなり、低体重で生まれてくるリスクがあることです。

今までの研究で、妊娠中の喫煙量が多いほど出生時の体重が少なくなる傾向があり、
非喫煙者と比べて170~250gも少なくなることがわかっています。

2つ目が、流産や早産の可能性が高くなることです。

1日20本タバコを吸う妊婦の流産確率は、非喫煙者の2倍以上、
1日20本吸う妊婦の早産率は25%以上というデータがあります。

3つ目が、乳幼児突然死症候群のリスクが上がります。

乳幼児突然死症候群の原因は解明されていませんが、
妊娠中の喫煙が危険因子のひとつであることはわかっています。

また、早期破水や前置胎盤、常位胎盤早期剥離など出産に関するトラブル
と妊娠中の喫煙は関連性があると考えられています。

妊婦自身が喫煙していなくても、家族が喫煙していると、
受動喫煙により胎児へ影響が出ますので、妊婦だけでなく、家族も
一緒に禁煙すると良いですね。

また、妊娠中に禁煙していても、出産後に喫煙を再開してしまっては
意味がありません。

確かに、妊娠中に禁煙すれば上記ようなリスクは避けられますが、
育児中に喫煙していると、子供の発達に影響を及ぼします。

タバコの煙が子供に与える影響として、
気管支喘息小児肺炎などの呼吸疾患や慢性副鼻腔炎や
中耳炎になりやすいだけでなく、低身長や知能低下、発達障害のリスク
も高くなりますし、免疫力の低下も引き起こします。

喫煙は、本人だけでなく
周囲の人にも健康被害をもたらします。

妊娠が判明したら、すぐに禁煙し、その禁煙を継続することが最も
良いのですが、出産後に喫煙を再開する場合は、子供の前では絶対に
吸わないなどの配慮が必要だと思います。

 

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